簡単に出来ると言ってはいけない

営業マンの方で契約が欲しいために出来ないことを出来ると言ってお客様と契約をとったことがある方いませんか。
これは私がIT関連会社で技術職の仕事をしていたときの話になります。
 

営業部には2つのチームがあり、リーダー同士が犬猿の仲でした。
一方のリーダーはどうしても数字で相手チームに負けたくないという気持ちが強く何が何でも契約を取りにいく人でした。
普通規模の大きな案件に関しては、技術部の人間も同行して環境調査をした上で見積もりを作成します。
しかし、そのリーダーは成果を早く上げたかったのか自分の判断で見積もりを作成し提出をしてしまっていたのです。
会議のなかで、この案件が決まったので発注と納品をお願いしますと言われて、初めてそも見積もりに目を通すと本当に愕然としました。
まずは案件内容に対しての金額の低さ。そして何でこんなに安いのか見積もり内容を確認してみると、システム構築に必要な機材が全く記載されていない状態。
リーダーにこの内容じゃこのシステムの構築は不可能ですよ。と指摘したところ、お客様先に似たような機材があったから大丈夫だと判断しました。との回答。
呆れて声もでないとはこの事ですね。
機材の型式すら控えておらず、本当にそれが使えるのかもわからない。
とりあえず、お客様先に環境確認にお伺いしたのですが案の定利用することができない機材でした。
そのときお客様から今回は本当にこの金額でシステムが組めるとは思わなかったよ。本当に良かったと一言。
自分としては正直できないと伝えようかと思いましたが、こっちの非があるので、なかなかギリギリまで頑張りました。と答え会社に戻りました。
早速、リーダーに報告し今後の対応をどうするのか打合せを行いました。
今回は、機材の費用をシステム構築費からまかなう形になり必然的に利益が大幅にダウンしました。
リーダーは代表から厳しいお叱りを受け、その後は商談に関して少しでも不安に感じる部分があると必ず確認の連絡をしてくれるようになりました。
 

営業は数字をとってなんぼの世界ではありますが、何でも簡単にできますと言うべきではありません。
お客様の信頼はもちろんのこと、社内での信頼も失ってしまいます。
もし簡単に何でも出来るとお客様に言っている営業マンの方いましたら、本当に気をつけるようにして下さい。
目先の数字ばかり追っていると必ず後悔することになります。